どれくらい減免措置を享受しているか、見てみましょう。建設経済研究所の試算によると、東京都世田谷区の宅地3600平方メートル(公示地価約50億円)を所有していると、固定資産税は年80万円ですが、長期営農継続農地扱いになると1万円にすぎません。また相続税についても、土地を農業にしか使えないという条件が付くと、相当低い価格で評価されます。このため、宅地並みに評価しての相続税課税は、事実上免除されています。
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要するに、圧倒的に低い土地保有コストで値上がり益を享受できるような税制上の仕組みになってしまっているのです。確かに、現在の市街化区域内農地を単に宅地の供給源としてだけからとらえることはできません。緑地として都市に潤いを与える環境保全機能や公害・災害の防止機能、都市住民のレクリエーションの場としての機能などもあります。都市への生鮮野菜の供給源としての一定の役割もあります。しかし、だからといって不公平な税制を温存し、非効率な土地利用を是認するのでは、話がアベコベです。そうした機能のために保存し、優遇すべき土地であるのなら、まず市街化区域外、つまり市街化調整区域に認定し直すべきでしょう。市街化区域内農地の転用面積は、最近は7000ヘクタール前後で推移しています。