最近、驚くほど割安な出物に出会うことはなくなったが、それでもたまには出る。そういう出物かおるとすれば、それはたいてい中小の不動産業者のあつかう物件である。さらに具体的にいえば、中小不動産業者のあつかう分譲土地、分譲住宅である。これは、中小不動産業者の資金繰りの関係からそうした物件が出てくるのだ。中小不動産業者も商売である以上、売りだす際、そこそこの値段をつける。最初からとくに安いということはない。ところが、売りだしても思うように売れない場合もときにはある。資金的に余裕のない業者の場合、当初の資金計画が狂ってくる。数ある中小不動産業者のなかには、売ってその収入をつぎの仕入れにまわすという自転車操業的な商売を繰り返している業者もいるから、はやく売れないとつぎの予定が立たなくなってくる。そのため、二回目の売りだしをおこなわざるをえないことになる。当然、広告費、人件費などの経費がよけいにかかるから、資金繰りがますます苦しくなる。このとき、資金的に余裕のある会社なら、物件をしばらくの間ねかせることもある。短いもので数か月、長いものになると数年ねかせる。数か月発売をずらしただけで、前回売れなかった物件が完全に売り切れることが少なくないからだ。しかし、資金的に苦しい業者ではそうもいかない。二度も売りだしに失敗するわけにはいかないので、こんどは原価スレスレまで値引きして、手もちの物件をはやく現金化しようとする。もっと追いつめられた際には、原価割れで売りにだすことすらある。
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