「家」と「家庭」はともに明治期の新語であった、と言うと、受講生たちは、少々不審そうである。もっと以前からあった言葉なんじゃないの、という疑問である。むろん両語とも、まったくの造語ではない。「家」については、近世以前からすでに階層ごとに、地域ごとに異なるものの、「いえ」は社会の中心概念であった。だが明治民法の「家」制度は、これらの「いえ」を素材に用いてつくられた新たな概念であった。そのかたわらで「家庭」という新語と概念がつくられてゆく。
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「家」と「家庭」はともに明治期の新聞・雑誌によってひろめられた、という意味で新語なのである。